ゲーム
THE GAME
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー、ジェームズ・レブホーン
1997年 / アメリカ
日本公開年:1998年
*** ストーリー
実業家のニコラスは、48才の誕生日に弟のコンラッドから人生が一変するような体験ができるとCRS社主催の”ゲーム”の招待状を贈られた。
最初は馬鹿にしていたニコラスだったが、ゲームに参加することにした。
やがて奇妙な出来事がニコラスの周りで次々起こり始める・・・。
*** レビュー
結構、この作品が好きな人は多いんですよね。
私も人から薦められて観たクチです。
タイトルからして「ゲーム」ですから、主人公のニコラスはゲームに参加していることはわかっているんですが、映画を観ている者も想像を越えたゲームだという点が面白い。
一体どれがゲームなのか?何が起こっているのか?と探りながら観ていくんですが、ニコラスと一体化させて困惑させる辺りの手腕はさすがです。
「私は盲目であったが今は見える」ヨハネ第9章25節
画面に映し出されるニコラスの困惑振りと次々に起こる訳わかんない出来事に目を奪われますが、弟のコンラッドがゲームの参加に招待した意図は何か?を考えた時、深いメッセージが隠されているんですね。
そして、人生が一変するような体験は何か?
それは、自分自身が囚われている恐怖から解放されることなんでしょうね。
▼▼▼ネタバレ▼▼▼
この作品に於けるゲームは、壮大な「ドッキリ」みたいなものですね。
まぁ、かなり大掛かりな「ドッキリ」なんですが、それ自体が現実離れではあります。
ニコラスの周りにいる人たち全て仕掛け人で、ゲームのためにそれぞれが役を演じている。
そうとは知らずに、ニコラスは右往左往していくのです。
死にそうにはなるし、文無しにもなるし、本人はゲームだなんて夢にも思わない・・・映画を観てる方も仕掛け人が「ドッキリ」仕掛けているなんて思いもしませんしね。
散々酷い目に遭って、やがて今までの出来事は仕掛けでした〜♪と「ドッキリ」の種明かしをするも、信じられないニコラスは誤ってコンラッドを銃で撃ってしまう。
たったひとりの弟を殺してしまったと嘆いたニコラスは、ビルから飛び降り自殺を図る・・・・が、コンラッドが撃たれたのも嘘。
悪い夢を見て目覚めた時、「あ〜夢で良かった」とホッとすることがありますが、この作品は映画を観てる者にもそれを体感させてくれます。
オチを観て「なぁ〜んだ」と思うよりも、どこかでホッとできる辺りが憎いですねー。
そして、ニコラスが子供の時に父親の飛び降り自殺を目撃したことで苛まれていた心の傷が、コンラッドを射殺してしまったと絶望し、同じように飛び降り自殺を図ったことで解放されたということだろうと思います。
自分も父親と同じなんだ・・・と、どこかで恐怖心を抱えていて、実際に体験することで解放される。
恐怖は実態のないものを「恐ろしい」と自分の心の中で繰り返しいくうち、心の中で「恐怖」として支配されていくものですから。
ニコラスにとって、溺れそうになるよりも、棺桶に閉じ込められるよりも、文無しになるよりも、弟を自分の手で殺してしまうことが絶望に繋がり、それが自分にとって最悪なことなんだと知ったことでもあるのでしょう。
何が自分にとっての絶望なのかを知ることができたゲーム。
ん〜、深い。