サルバドールの朝
SALVADOR
監督:マヌエル・ウェルガ
出演:ダニエル・ブリュール、トリスタン・ウヨア、レオナルド・スパラグリア、ホエル・ホアン
2006年 / スペイン=イギリス
日本公開:2007年
*** ストーリー
1970年代初頭、フランコ政権下のスペイン。
青年サルバドールは、世の中を変えたいという純粋な気持ちからアナーキストのグループに参加する。
やがて、グループは活動資金を得るために銀行強盗を繰り返し始めた。
サルバドールは警察にマークされた一人になり、ついに追い詰められ銃撃戦となる。
そして、サルバドールが撃った銃弾が警察官を貫き、死んでしまう。
逮捕され、軍事裁判にかけられたサルバドールに下された判決は死刑だった。
*** レビュー
フランコ政権に反発し、アナーキスト集団の活動に身を投じ、25才で死刑に処せられたサルバドール・ブッチ・アンティックを描いた作品。
父親がドイツ人で母親がカタラン人のダニエル・ブリュールは、自身がバルセロナ生まれということもあり、堪能なスペイン語を披露しています。
さて、ファシストのフランコ政権下という時代背景ですが、国民は圧制に苦しんでいたというわけではないんですね。
確かに禁止事項はあったものの、国民は生活が安定していられたらファシストであろうとなかろうと、それほど不満は抱かないもの。
比較的治安が良く、国際的孤立からの脱却、国際収支は黒字で主要産業が発達した時代でもあったんですね。
フランコ政権を容認する人がいる一方で、自由主義運動を抑圧していたことにより、若者らの反発があったという複雑な背景。
サルバドールは何かを変えたいという普通の若者の一人だったのです。
この作品は、サルバドールが弁護士に話す内容の回想シーンと刑務所内でその日を迎える姿が刻々と描かれています。
彼の処刑は不当であるということを伝える前提の作品だろうと思いますが、その時代のスペイン情勢を知らない人でも伝わるように描いてる点が親切です。
「ラスト30分、涙が止まらない」というコピーを知らずに観ましたが、ラスト15分は本当に涙が止まりませんでした。


