原題:JOHNNY GOT HIS GUN
監督:ダルトン・トランボ
出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ジェイソン・ロバーズ
1971年 /アメリカ
カンヌ国際映画祭:審査員特別グランプリ、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞 、国際エヴァンジェリ映画委員会賞
日本公開年:1973年
時代は第一次世界大戦時。
ジョーは恋人を故郷に残し戦場へと向かう。
しかし、彼は爆弾によって四肢と目、鼻、口、耳を吹き飛ばされて失ってしまう。
命は助かったことで、軍からの命令で実験の対象として死なせることを許されなかった。
ジョーは意識を回復したが、自分の身体の状態を知り絶望するが、自ら死ぬこともできない。
皮膚以外の感覚を失ったジョーは、故郷のことや恋人のことを回想していく。
赤狩りで投獄された経験を持つ、ダルトン・トランボの60代にして最初で最後の監督作品。
「反戦映画」として名高い映画ですが(ピース・サインが有名)、戦争の悲惨さ・・・というより、この作品は「国家」というものが「個人」もしくは「国民」に対して、どこまでも関与できてしまう恐ろしさを描いた作品のような気がします。
戦争に駆り出されることは、「個人」を捨てなくてはならない・・・国に忠誠を誓い、忠実さを顕著に示さねばならない。
けれども、ジョニ−は意識と皮膚感覚しか残ってない身体でも尚、国から生きる命令を下されたようなもの。
個人の生き死にまでも国に牛耳られることを、戦争を通して描いたと言っていいでしょう。
それは、自分の思想を「赤狩り」という国の政策によって踏みにじられた経験のあるダルトンならではの脚本によって、いかに国家は個人の自由を奪い続けてるかを描き切ってると思います。
映画はジョーの回想シーンはカラーで、現状況シーンはモノクロです。
それがまさしくジョーの心の中を映し出していると言っていいでしょう。
ジョーが寝かされているベッドのある部屋の寒々しさ・・・人間の尊厳どころか、人権すらないことへの恐怖も感じる描写です。