原題:OPHIE SCHOLL - DIE LETZTEN TAGE
監督:マルク・ローテムント
出演:ユリア・イェンチ、ファビアン・ヒンタクリフ
2005年 /ドイツ
ベルリン国際映画祭:銀熊賞(監督賞)、銀熊賞(女優賞)
日本公開:2006年
1943年、ミュンヘン。
ヒトラー批判を呼びかける組織「白バラ」のメンバー、ゾフィーと兄ハンスは、大学の構内でビラを撒いているところを見つかり、ゲシュタポ将校に連行される。
ゾフィーは尋問官モーアの取り調べを受けるが、無罪を主張。
モーアはそれを信じ釈放手続まで進むが・・・。
ゾフィーがゲシュタポに連行され、死刑執行を受けるまでわずか5日間。
その間ゾフィーを焦点に当てた作品です。
映画は、新たに発見された尋問官モーアの記録を元に、モーアとゾフィーとのやり取りを中心に丁寧に描いています。
最初、ゾフィーは「ノンポリ(政治無関心者)」だと言い続ける。
モーアは巧みに尋問する。
ゾフィーは平静を装い、モーアはそれを崩そうとする心理戦でもあるんですね。
この映画では、「白バラ」という組織について詳しく描いていないし、ゾフィーがメンバーになった背景も尋問中に言った内容でしかわからない。
ビラを撒いた時、どれほどのリスクを覚悟しながら行動したかも不明だけれど、そういう説明をあえてせず、ただ記録として残っていた処刑までの5日間を丁寧に描いたところが良かった。
私がこの映画で印象に残っているのは、ゾフィーの視線。
モーアへの視線、空を見る視線、建物を見回す視線・・・それが真っ直ぐなのです。
ゾフィーが物事に対して、真っ直ぐであるという人柄を表しているでしょうね。
特に、モーアに対しては目を逸らすこともしない。
その真っ直ぐな視線に、モーアの気持ちが少しずつ動かされていくのがわかる。
それは同情ではなく、共感なのだろうと・・・。
正しいとか、間違っているとかという二極的な考えを超えた、「信念」こそがこの映画のテーマだと思います。