情婦
原題:WITNESS FOR THE PROSECUTION
監督:ビリー・ワイルダー
出演:タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン、エルザ・ランチェスター
1957年 / アメリカ
日本公開:1958年
ストーリー
金持ちの未亡人殺害の容疑で逮捕されたレナードは、高齢でありながらも凄腕弁護士ロバーツに弁護を依頼。
やがて裁判が始まり、検察側の証人が次々と証言していく中、最後に証言台に立ったのはレナードの妻クリスティーネだった。
そして、彼女の証言はロバーツを困惑させるものだった。
レビュー
アガサ・クリスティの「検察側の証人」の映画化。
とにかく、最高に面白い!
サスペンス色が強烈にあるわけではないけれど、ユーモラスさと迫力の加減が実によく調和されていて、最初から最後までダレることなく観ることができます。
心臓が弱くなって病院を退院したばかりの弁護士ロバーツ。
そんなロバーツと付き添いの看護婦さんとの掛け合いが楽しかったり、裁判長が結構ユニークだったりしているのもこの作品の魅力でしょうね。
その一方で、妖艶な雰囲気がたっぷりなマレーネ・ディートリッヒ演じるクリスティーネの圧倒する存在感。
この作品は登場人物がそれぞれ魅力的で、構成もほのぼのさと迫力が上手く噛み合わさっているし、最後の最後まで濃い内容となっています。
「観ることができて良かった!!」と心底思えた、貴重な作品。
久しぶりです、観終わって興奮したのは。
ラスト・・・私は鳥肌が立ちました。
▼▼▼ネタバレ▼▼▼
特にこの作品のネタバレは、観る前に読むことは絶対に避けた方がいいです。
それだけ、ラストのどんでん返しが見事だからです。
しかも、驚きは2度続きますので・・・。
さて、サスペンスものだから、未亡人を殺害したのはレナードなのか否か・・・という視点にはなります。
検察側の証人への反対尋問は、ロバーツのオトボケ交じりで面白い。
そんな中で、検察側の証人にレナードの妻クリスティーネが登場した途端にガラリと雰囲気がかわるんですね。
イギリスの法律では、身内の証言は無効である・・・ということが大きなポイントになってきます。
検察は、クリスティーネは重婚であり、出身国のドイツに正式な夫がいるので、レナードとは夫婦ではなく他人であると説明。
しかもクリスティーネが証言した内容は、レナードが未亡人を殺害したというもの。
180度言うことが変った証言に、ぶったまげて持病の心臓病の薬まで飲むロバーツ。
実はこれ、クリスティーネの作戦なんです。
まずロバーツに嘘つき女という印象を与え、その上で事実を証言。
加えて、クリスティーネ自ら変装し、ロバーツにクリスティーネの証言は思惑があると信じ込ませる物証を手渡す。
敵を欺くには、まず味方から・・・ってやり方ですね。
法廷で、ロバーツによってクリスティーネは偽証したと暴かれるカタチで、レナードは無罪を勝ち取る。
クリスティーネの自己犠牲によって、レナードは無罪になった。
そこまでクリスティーネはレナードを愛していたってことなんですねー。
ところが、レナードには愛人がいた。
クリスティーネが芝居をうつことはレナードとの作戦だったんだけれど、クリスティーネはレナードに裏切られていたのです。
彼女が偽証罪で逮捕されることまで計算していたレナードは、愛人と船旅に行く予定までしていた。
哀れなクリスティーネは、証拠品として法廷に置いてあったナイフでレナードをその場で殺害する。
その一部始終を見ていたロバーツは、休養を取りやめてクリスティーネの弁護を買って出る。
この作品は、レナードを本当に愛していたクリスティーネの愛の物語でもあるんですね。
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