原題:LA GLOIRE DE MON PERE
監督:イブ・ローベル
出演:フィリップ・コーベール、ナタリー・ルーセル、ジュリアン・シアマカ
1990年 /フランス
日本公開:1991年
1895年、マルセルは南仏のオーバーニュで生まれた。
父ジョゼフは小学校教師、母オーギュスティーヌはお針子をしている。
弟ポールが生まれ、マルセルが3才の時に一家はジョゼフの昇進でサン・ルノーに引越す。
1900年、叔母のローズが結婚し、マルセルに妹ができた。
そしてマルセルが9才の夏、病弱なオーギュスティーヌに新鮮な空気のもとで過ごさせるため、一家は叔母夫婦と田舎の別荘を借りることに。
そこはマルセルにとって、生涯で最も美しい日々の始まりだった。
「愛と宿命の泉」の原作者、M・パニョルの回想録を描いた作品。
映画は夏でありながら、私は真冬の吹雪の中、この映画を観にいそいそ出かけた記憶があります。
映画のオープニングは、映画館の外が吹雪いていることも忘れさせるほどの壮大な景色と初夏を感じさせる音楽で、のっけから映画の世界へと引き込まれていきました。
「プロヴァンス物語」の第一部でもある「マルセルの夏」は、「父の栄光」という原題の通り、マルセルから見た父親を中心に描かれています。
ともすればノスタルジックで甘いだけの映画になりがちなところ、ほどよくコミカルでテンポがいいのも、この映画の魅力。
この映画は大人になったマルセルがナレーションして、思い出を回想していくというカタチ。
慈しみ溢れた両親への想いが回想の中で美しく語られ、羨ましいほどに素晴らしい家族だということが映画の序盤から紡ぎ出されていきます。
この映画には悪い人は一切出てきません。
個性的で変わり者もいるけれど、思い出は美しい・・・ということでしょうか。
大事に大事にしていた思い出を映画は見事に応えて描き出し、観る者の中にも眠っている美しい日々の琴線に触れていきます。